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ムラヴィンスキー新譜(2014年4月発売分)雑感、そしてお悔み。 [ムラヴィンスキー]

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この二つの感想を書こうと思っていたが、
ブラームスの方のライナーの冒頭をみて驚いてしまった。

ムラヴィンスキー協会の事務局長の天羽健三氏が亡くなられていた。

76歳だったとのこと、

自分はここ数年協会とはかなり疎遠になっていたので、
この件については何も知らなかった。

天羽氏とは数度お会いしたことがある程度で、
それほど親しくお話ししたということはない。

ただ自分の本体サイトにあるムラヴィンスキーのページを、
協会の会報で紹介してくれたりといろいろと恩はあった。

最後はだいぶ前の話だが、
氏がAヤンソンスの演奏記録を調査していたとき、
日本における公演記録がかなり散逸しており、
なにか手段はないかということをメールされてきたのが最後だった。

あのとき自分は知っているすべてのやり方をメールしたが、
じつに手詰まり感のある返事を出してしまった記憶がある。

年齢的にもまだまだなので、
もうずぐムラヴィンスキーの最後の来日公演から35年経つこともあり、
また何か考えていらっしゃるのだろうかと考えていた矢先の訃報だった。

正直、天羽氏と初代協会会長の橋爪氏がいなかったら、
日本のムラヴィンスキー研究はかなり遅れていただろうし、
これほどいろいろとCDが音質的には玉石混合とはいえ、
市場に出回ることもなかっただろう。

それを思うとこの報はあまりにも自分には辛いものがある。
すぐに自宅にある仏棚にお線香をあげさせてもらいました。

心より哀悼の意を表したいと思います。


そんなことでいろいろとかつてのことを考えながら聴いた上記二つのCD。

[ALT-288]
・ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
・ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73

[ALT-299]
・シューベルト:交響曲第8番ロ短調『未完成』D.759
・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op.47

という内容で、いづれも1978年6月のウィーン楽友協会でのライブ。
かつてオイロディスクレーベルからLP四枚組のボックスとして発売された。

これが初めて発売された1981年のときは、
数か月後にムラヴィンスキーの来日が迫っており、
しかも内容がこのときの曲目と1977年来日時の曲目があるということで、
かなりの話題になったものでした。

ただ音質のぬけが悪く、
しかも音のレベルもなんか一定していないというもので、
録音年代とは思えないほどレベルの低いものでしたが、
内容は驚嘆に値する素晴らしいものでした。

それが今回、以前発売になったチャイコフスキー同様、
たいへん聴きやすい音質として生まれ変わった。

たしかに「これがもう限界だろうな」というかんじもすることはするが、
ここまで音質が改善されれば言う事は無い。

というよりこんなに残響豊かな状態で聴くムラヴィンスキーというのも、
けっこう珍しいという気がする。

たしかに響きがかなり大きなため、
若干音楽のエッジが不鮮明な部分がないわけではないが、
この音質により弦の一枚岩感覚が強く出たことは嬉しかった。

またショスタコーヴィチでは
第一楽章からかつてNHKホールで聴いた、
ムラヴィンスキーの同曲を想起させられるものがあり、
冒頭の強烈な弦の響き、
弱音にくるとまるでホール全体の温度が下がったように感じるほど、
じつに結晶化されたような音が聴こえてきたり、
激しい部分ではやや前に腰を折り気味にして激しく指揮棒を振るその姿に、
「なんだ言われていたような小さな指揮じゃないじゃないか。」
などとホールで思っていた事をあらためて思いだしたりしたものでした。

だがそれ以上に圧巻だったのはブラームス。

同年本拠地で録音されたものや、
前年東京文化会館で自分が聴いた同曲よりもさらに激しい、
圧倒的な高揚感がかなりはっきりと今回は表出されていた。

ムラヴィンスキーは日本公演では、
ここはまるで第二の本拠地といわんばかりに、
いい意味でリラックスした演奏をしていましたが、
ことウィーンではブラームスの演奏に自分よりも深い歴史をもつウィーンということで、
それこそ他流試合的ともいえるほどに、
自らをかなり激しく燃え上がらせるような演奏へと駆り立てていったのでしょう。

確かにそれらのことは以前も感じられてはいましたが、
今回のCDはそれらがさらに見事に表出されたものとなっていました。

今回の以前出たチャイコフスキーも含めた全3枚のウィーンライブは、
今後末永く多くの人に愛し聴き継がれていくことでしょう。

たしかに1978年にしては最高音質というところまでは残念ながらいってませんが、
以前のものとの音質からみればはるかに良好になっています。

天羽氏もきっとこのCDのことを喜んでいると思われます。
ぜひ皆様もこの素晴らしいCDを一度お聴きになってみてください。

最後に制作関係者の皆様。
ほんとうにありがとうございました。
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