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「心が叫びたがってるんだ。」(2015)雑感。 [劇場公開アニメ]

kokosake-poster0321.jpg
http://www.kokosake.jp/
公式サイト


「あの花」スタッフによる劇場用オリジナル新作アニメということで、
「あの花」同様再び秩父を舞台にした作品が公開された。

で、いきなりネタバレはまずいと思いながら、
ストーリーの多くはネットでいろいろと書かれているので、
今回はいきなり、

ネタバレ書きます。

ということで、
だめな人はここから先はもう終了ということでご了承ください。


まずみていて「あの花」のようなこれは泣きの作品ではない。

感動よりも考えさせらるという作品といっていいのかもしれない。

確かにそこにはいろいろとした人間関係や葛藤、
過去とのしがらみやそりれに引きずられる主要人物たちと、
そのちよっと複雑な感情の絡み方という、
「あの花」と似た要素はあるが、
「あの花」が平和バスターズのその家族の一部のみの話だったのに対し、
こちらはさらにクラス全体を巻き込んで動いているということもあって、
より「学校もの」という印象が強くなっている。

また生き死にが絡んでない分、
こちらの方がより現実的な話となっている感がある。

ただそれ以上になんというかみていてなんか

「秩父の小鳥遊六花の物語」

みたいなそんな感じの、
悲喜劇的な学園ものという感じの作品にとにかく感じれられた。

中二病か卵の妖精による呪いかの違いくらいで、
とにかく「あの花」スタッフによる「六花の物語」版みたいな。

ただ六花とは違い、
成瀬順の方は自分でストーリーを引っ張れるところがあるので、
あそこまで話がとことん外れていくようなギャグ展開にはならないので、
コメディというわけでもない。

あくまでも主題は「言葉を軽んじるものは言葉に支配される」ということと、
「一度出てしまった言葉はもう元に戻らないし人を傷つけてしまう場合もある」
そして
「言葉でしか伝わらない心の底にある真実」
というシリアスなものということで、
これに「歌」を含む感情表現という部分がからんできて、
話が前向きに動いていくという趣で全体は進んでいく。


ここの部分のメッセージはネット社会に対してのものもこめられていると思う。

ただ正直言うと、
ずいぶん話が順調に進むなあという感じで、
これがもしテレビ版だったら、
もう少しいろいろとサイドを膨らませて、
より凹凸のあるものとなったような気がするけど、
これは尺の問題もあるのでしかたないというところか。

また最後の30分のミュージカルも、
なんか既存の曲のカヴァーが多くて、
原曲のイメージに強く影響されている自分のような人間には、
どことなく違和感みたいなものがなんとなくつきまとって、
感銘がいまひとつわいてこなった。

あえて名曲を使用したという意図はわかることはわかるのですが…。

ただしラストのベートーヴェンの「悲愴」の第二各章と、
「オーバー・ザ・レインボー」を重ねるというのはなかなかのアイデアで、
これはけっこう感心してしまった。

もっともいざやってみるとベートーヴェンの曲の方がかなり勝ってるかんじになってしまった。
ちょっと聴いていてこれは意外なかんじだった。

このように最後はかなり音楽と歌に強くウエイトを置いたものになっており、
しかも明るく大団円で締めくくられたつくりとなっていることもあり、
そういう意味では「あの花」とは違ったいい意味でのカタルシスのある
カラッとした爽やかな後味のあるものになっている。

ただそれ以上に、
最後の最後での田崎の一言を受けた広瀬の仰天する顔が、
この日いちばんの心の叫びが聞こえてくるような秀逸なそれだった。

そおかげでなんかそれまでのシリアスな部分が、
全部このシーンにもっていかれたようにも感じられて、
「おしまい」どころか「はじまり」という感満点となってしまった。

またミュージカル以降の展開で、
最初は広瀬の過去話からはじまり彼女中心のような雰囲気だったのが、
終わってみると主要人物四人が横一列になったようなかんじとなり、
しかもその背後をクラスメートがしっかり埋め尽くしているといった、
かなりの群像劇となっていたのもおもしろく、
この作品をここからテレビシリーズでやるのも面白いのでは?
という感じが強くしたものだった。

ところでなんかこう書いていくと、
「あれ?期待するほどそんなにおもしろくないのかなあ。」
と思うかもしれないが、
それは「あの花」と同じものを期待するとであって、
決してつまらない作品ではない。

ミュージカルのラストが、
成瀬の心象風景の移り変わりとともに変わっていくあたりや、
成瀬が最後客席の後ろから歌いながらあらわれ、
母の横を通りすぎていくときの細やかな描写、
そして「あの花」同様細かく描かれている秩父の情景等々、
見所ももちろんいろいろとある。

また坂上と卵の妖精の声が同じ人が担当してるのも、
ストーリーの展開をみていくとなかなか奥深いものがあります。

そして広瀬順の母に吉田羊さんが配役されたこと。

じつはこれがひじょうにいいキャスティングで、
アニメをはじめてやったという吉田さんのそれは、
母親として精神的に不安定なまま時間がとめられしまった姿を、
じつに的確に表出していた。

これがなければ順のあの「呪い」のもつ意味合いも、
あそこまで深刻さが出なかったと思う。

と、とにかくこんな感じの作品でした。


ひとことではなかなか表現しづらいけど、
よくTVでみかけるCMから予想されるような、
単純にただ言葉が喋れない女の子の話ではないことは確かです。


あと余談ですが、
元のように喋れるようになった広瀬、
はたしてそれはそれで大丈夫なのかなあ。

田崎なんかめちゃくちゃ振り回されそうだし、
坂上や仁藤もいろいろとちょっかいだされそうだしと、
個人的にはするのですが…。

まあ正直面白い作品でしたが、
個人的にはこの後の方が興味津々というかんじでした。

まだ一度しかみてないので今はこんなところです。

以上で〆。
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サンフランシスコ人

来月、サンフランシスコの日本町の映画館で上映です...

http://www.newpeopleworld.com/schedule/2015/11/2/the-anthem-of-the-heart
by サンフランシスコ人 (2015-10-15 01:57) 

阿伊沢萬

来泣ける人とそうでない人とけっこうハッキリわかれるみたいです。そちらではどうなるんでしょう。
by 阿伊沢萬 (2015-10-17 22:30) 

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