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ルドルフ大公の七重奏曲 [クラシック百銘盤]

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ルドルフ・ヨハネス・ヨーゼフ・ライナー・フォン・エスターライヒ
(1788年1月8日 ピサ - 1831年7月24日 バーデン・バイ・ウィーン)


通称ルドルフ大公とよばれている人物。


後にオロモウツ大司教と枢機卿になった人だが、
むしろベートーヴェンのパトロンとしてのそれの方が有名だろう。

生前あの気難しく激しやすいベートーヴェンと親交を結んだだけでなく、
ベートーヴェンからピアノと作曲の手ほども受けている。

特に作曲に関してはベートーヴェンは他に教えた人が見受けられないため、
彼が唯一作曲家としてベートーヴェンに師事した人物となっている。


また大公はベートーヴェンをウィーンに留まらせるために、
4000グルデンという日本では一千万円をはるかに超える額の年金を出した。

そしてそんな大公にベートーヴェンもまた、
「告別ソナタ」「大公トリオ」「ビアノ協奏曲第5番皇帝」「ミサ・ソレムニス」等々、
じつに14曲もの作品を献呈しており、
また三重協奏曲のピアノパートも大公のソロを想定して書かれたというほど、
その関係は特別なものとなっていた。

またベートーヴェンは大公への敬愛の念を書面にも遺している。


そんな大公だが生まれつき病弱だったため、
43歳でこの世を去ってしまっている。

その大公の作品が、
じつは現在いくつか音で聴くことができる。

中でも亡くなる前年に作曲された、

「七重奏曲ホ短調」

は屈指の名作と思われる。


すでにベートーヴェンは三年前に世を去り、
シューベルトもこの世を去っていた。

大公自身も要職を離れ、
悠々自適の生活をされていた時期に作曲されたというこの作品。

81ozsLwrNdL__SY355_.jpg
https://www.youtube.com/watch?v=5QLWz-LuU_c

これを聴いていると、
ベートーヴェンが二十代の終わりに書いた初期のヒット作

「七重奏曲 変ホ長調 op.20」

と、その後登場したシューベルトやロッシーニを想起させるようで、
若き日のベートーヴェンと初期ロマン派が合体したような、
とても明るく聴きやすい曲となっている。

ただそこにはベートーヴェンの七重奏曲以降のスタイルや影響が、
不思議とあまり感じられない…、
というよりすっぽり抜け落ちている感じがするのが興味深い。

これがいったい何を意味しているのか。


因みにこの作品の自筆譜の最後のページには大公が、

「終結。人間的なる彷徨!」

と記していたそうです。


できればもう少し顧みられ演奏される機会が欲しい曲です。
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阿伊沢萬

たまにこういう知られざる、だけど本人は音楽史上そこそこ有名という作品の紹介をしてみました。

banpeiyuさん、剛力ラブさん、nice! ありがとえございました。
by 阿伊沢萬 (2016-02-04 01:21) 

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