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カメラータ・ザルツブルクの演奏会に行く。 [クラシック百物語]

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【日時】
11月26日(土)会場:神奈川県立音楽堂
【演奏】
カメラータ・ザルツブルク
【指揮】
ハンスイェルク・シェレンベルガー

【曲目】
モーツァルト:ディヴェルティメント第11番ニ長調 K.251
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622(CL / アレッサンドロ・カルボナーレ)
モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550


井上道義さんのショスタコーヴィチと最後まで迷ったものの、
横浜でこちらに行くことに決める。

ホールは8~9割ほど入っていたようにみえたが、
横浜の映画館に慣れた自分にとってこのホールの座席は小さく、
また前の座席の間隔とも狭いためちょっと座りにくい。

だが演奏がはじまるとそんなことを忘れさせるほど、
そこにはまさに「楽興の時」とよびたくなるほどの、
じつに見事な音楽が展開されていった。


最初のセレナーデは終曲にあたる第6曲を最初に演奏、
その後は楽章通りに演奏というちょっと変わったものだったが、
最後がにぎやかな第五楽章で終わるということで、
これはこれでなかなかの感があった。

編成はオリジナルの七重奏ではなく、
6-5-4-3-2
という弦編成(対抗配置)。

演奏はしなやかかつ腰の強い響きが軸となり、
かなり聴き応えのある響きだったけど、
だからといって大柄なものではなく、
室内楽的な愉悦さも兼ね備えた、
少し辛口だけどニュアンスに富んだ、
生命感あふれる素晴らしいものだった。

これにはオーボエソロを担当した、
シェレンベルガーのそれも大きかった。

シェレンベルガーは指揮者の立ち位置に椅子を置き、
観客席を向きながらオーボエを吹き、
そして身体をゆらしたりアイコンタクトを交えたりしながら指揮を執ったが、
これがオケとの呼吸とじつうまくあい、
まさに「ディヴェルティメント」といった感じだった。

特に第五楽章の柔軟なテンポの変化や歌いまわしは、
これぞモーツァルトと言いたくなるほどのものがあった。

そのすばらしさを感じたのは自分だけではなかったようで、
この曲の二曲目となった第一楽章が終わると同時に、
観客席の前の方から拍手が巻き起こった。

すぐにそれをシェレンベルガーが両手で制したが、
その演奏のすばらしさに思わず拍手が出てしまったのだろう。
これは自分にもものすごく頷ける拍手だった。


それにしてもこのオケとこのホールの相性は抜群で、
最初はちょっと響きが少なく乾いた感じがしたものの、
耳が慣れてくるとむしろ音が温かくクリアに聴こえはじめ、
それがまた曲とマッチし相乗効果をあげていた。


この後、すぐにクラリネット協奏曲。

最初はちょっとクラリネットとオケが、
異質な組み合わせ的な感じがしたものの、
途中からそういうかんじはなくなっていった。

おそらくスタイルは違うものの、
狙っているものが近しいことで、
自然とある程度調和していったのだろう。

絶品だったのは第二楽章。

ソロのカルボナーレも見事だけど、
それにバックでつけるオケがこれまた美しい。

特に弱音はホールに響くのではなく、
ホールに染みわたっていくような絶妙な響きとなり、
このホールが「木のホール」であることを、
あらためて実感させてくれる演奏となった。

木管も弦楽器も、
そしてこのホールそのものも「木」からつくられている。

その邂逅と共鳴、そして調和。

まさにこのホールと演奏者でなければ不可能な演奏といえるものだった。


この見事な協奏曲の後、
カルボナーレの超絶かつノリノリなアンコールでホールが沸きに沸く。
さすがかつてはフランス国立管弦楽団、
そして現サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の首席奏者。

名前がうまそうだけど実際うまかった。

KO01.jpg
https://www.youtube.com/watch?v=_Z-aP2Ie3Xo
※昨年のカルボナーレによる同曲の演奏。

このあと20分の休憩の後、後半の交響曲へ。


第一楽章はやや速めなものの、
雑に飛ばしたというものではなく、
辛口で哀しみを心の底に秘めた熱い演奏となっていた。

詩情豊かな第二楽章もよかったけど、
第三楽章のちょっと個性的なそれはなかなかのものだった。

特にやや大きめな間をその前後に置いたトリオは、
まるで風のように軽やかに流れていき、
かつてアーノンクールが日本公演で演奏した
「ポストホルン」を想起させられるものがあった。

そして熱気のこもった第四楽章。

ここで驚いたのは、
ここというときに響く中低音の力強い弦の音。

それは人数からは考えられないくらい、
大きく豊かで力強さも兼ね備えた響きで、
この演奏を大きく下支えするものとなっていた。


この素晴らしい演奏が終わり、
拍手の中アンコールで演奏されたのが、
なんとこの日最初に演奏された.K.251の終曲。

なるほどこのために曲順を変えたのかと、
このときようやくわかりました。


この後演奏会終了後サイン会があったが、
自分はこのまま帰途につきました。


この団体も指揮者も実演ははじめてでしたが、
とにかくこれまた大満足の演奏会でした。


そにしても最初にいいましたが、
ほんとこのオケとこのホールの相性がいい。

特にこのホールが「木のホール」であることを、
今日ほど実感させられた演奏会というのも、
個人的にはあまりなかったという気がします。

今回このホール初登場ということだったらしいのですが、
これを機会にぜひまたこのホールで演奏してほしいと思う次第です。
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